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歴史認識の問題の解決なんてできないだろうけど

 

久しぶりに歴史に関しての本を読んだ。
細谷雄一氏の"歴史認識とは何か~日露戦争からアジア太平洋戦争まで~【戦後史の解放Ⅰ】"。
これもモーリー・ロバートソンの動画を見て興味を持った。


細谷雄一×モーリー「改めて考える“歴史認識とは何か”」

 

動画の10:30~くらいで細谷さんが言ってるように、最近世界的に左右極端に思想的に偏った勢力が台頭してきている。
日本でも本屋に置かれる書籍がそういうものばかりになってたり、国会前で乱痴気騒ぎしている集団がいたりと穏やかではない。

まぁ最近は在特会の活動は勢いを失ったように感じられるし、レイシストをしばき隊だとかシールズだとかの話もあまり聞かなくなってきたので収まりつつあるのかもしれないけれど。

自分も一時期少々右に寄って戻ってきた感じなので、専門家でありバランスのとれた歴史の見方を志向している細谷さんの本を読んでみようかと。

 

本の概要

戦後史は「イデオロギー的な束縛」「空間的な束縛」「時間的な束縛」の3つによって公平に見ることを阻害されており、そこから解放するっていうのがこの本の趣旨。 

イデオロギー的な束縛」は陰謀論のように分かりやすい答えを用意してくれるものであったり、自分の思想や運動に歴史を利用しようとするものに囚われること。

「空間的な束縛」は学校で教わる世界史に日本が登場せず、日本史で近代史はロクに扱われないという風に二つが剥離しておりそれがバランスの良い理解を妨げている。

「時間的な束縛」は1945年8月15日の終戦後とそれ以前が断絶している。戦後の平和主義は急に生まれたわけではなくそれ以前から国際的な潮流があった。

という感じで広汎な資料にあたり国際的な流れを理解したうえで世界史の中での日本を描き出す、という感じの内容。
日露戦争の時は国際法教育がなされハーグ陸戦規則にのっとって捕虜をちゃんと扱っていた日本が、満州事変や錦州への戦略爆撃第一次大戦後育まれつつあった平和主義の潮流を破壊し孤立を深め、勝てない戦争に踏み切り敗北するまでが書かれている。

 

感想

本の中でも書かれているように、何か新しい解釈を書いているわけではなく世界史と日本史をつなげて通史にした感じ。
日本史とってたけど全く勉強してなかった自分にとっては、単純に歴史を知るという意味で読んで良かったし面白かった。

何で天皇無視して陸軍が好き勝手やってんのか、シミュレーションではアメリカに負けるという結果になったのになぜ合理的に戦争を避けようとする思考ができなかったのか、何で全然情勢読めてないのか、冷静な専門家や政治家も一部いたのになんで少数派だったのか。

とか今の視点から見れば色々思うのだけど、自分が当時生きていたとしたら世間の風潮に乗っかって「俺たちの近衛文麿」とか「おどりゃアメ公なんかクソクラエじゃ!」とか「わりゃクソ森!」とか言ってただろうなと思う。

 冷静であることが重要だよね。

で、こういう戦時の愚かしい風潮と近いものを今も感じるってのがヤバイよね。
5大新聞が消費税の増税に賛成してるのとか、財務省増税に躍起になってるらしいことが漏れ聞こえてくるのとか。経済分かってる政治家より緊縮脳の政治家が多いらしいこととか。

 

話がズレたけどバランスよくあろうとしても著者の理解で本は書かれるわけで、偏りってのはどうしたってあるだろうし、この本のレビュー見たら批判してる人もいるし抜け落ちてる部分もあったりはするのかもしれない。

とりあえずアメリカやイギリスにも欺瞞はあれど、だからといって日本はアジア解放のための正しい戦争をしたみたいなのには乗れねーな。
逆に左派の人が言う歴史修正主義者みたいなレッテル貼りもどうかと思う。

そんな感じです。